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新型コロナウイルスの影響で、多くの企業は、デジタルトランスフォーメーション (DX) プロジェクトのブレーキを踏まざるを得ませんでした。自社の価値を高めるためのプロジェクトを一旦ストップさせ、従業員を在宅勤務またはハイブリッド型の勤務形態に移行したのです。

その過程で、IT 部門と事業部門のリーダーが連携し意思統一を図り、全社的なコラボレーションの推進や生産性と効率性の向上を実現できた企業も、少なからず存在しています。この環境下において、多くのリーダーが、自社をマーケットへ高い価値で提供するために IT の重要性とその役割を実感し始めています。

しかし、新しいアプローチには懸念や課題が付きものです。
実際、IT 部門と事業部門のリーダーは、KPI やビジネス目標を達成するために『インテグレーション』と『自動化』のプロジェクトに注力していますが、セキュリティへの懸念がこれらプロジェクトへの取り組みを躊躇させていることも事実です。
その解決策として、API 主導のアプローチで『インテグレーション』と『自動化』を推し進めることにより、プロジェクトの途中段階 (開発やテストなど) であっても、ガバナンスの中核となるプラットフォームを整えなければなりません。

『インテグレーション』と『自動化』が
ビジネスの最優先事項

MuleSoft の『IT 部門と事業部門の連携バロメーター』レポートでは、IT 部門と事業部門の意思決定者を対象に、それぞれの優先事項とその達成を妨げる障壁について調査を実施しました。その結果、新型コロナウイルスの影響により「業務効率の向上」「生産性の向上」「技術革新のスピードアップ」が、多くの企業にとって最優先事項であることが判明。そして回答者のほぼ全員 (99%) が、「『自動化』がビジネス目標を達成するために必要な道のりだ」と回答したのです。

組織のランク


これらのビジネス目標を達成するには、従業員の作業時間を短縮し、顧客に新しいサービスを提供できるようにするための『インテグレーション』が重要です。しかし『インテグレーション』を必要とするシステムが増えれば増えるほど、個々の『インテグレーション』はさらに複雑になってしまいます。

『インテグレーション』と『自動化』を阻む
セキュリティの課題

多くの意思決定者が『インテグレーション』と『自動化』の重要性を認識していながらも、その 66% はデータセキュリティとガバナンスの課題が、その導入計画やプロジェクトの障壁になっていると述べています。

自動化に関するイニシアチブ


セキュリティの次に『自動化』を阻む主な要因は「データのサイロ化」です。調査回答者の 85% は「非エンジニア系従業員が、セキュリティを懸念し情報漏洩を恐れており、社内と社外のデータの『インテグレーション』を躊躇している」と回答しています。

こういったセキュリティ上の懸念は、決して無根拠ではありません。新型コロナの流行以降、サイバー攻撃は増加しており、特にランサムウェア攻撃が急増しています。
そして個人情報の漏えいは、どのような企業にとっても致命傷となります。しかしセキュリティ侵害のリスクを負わずに、データを統合するソリューションが存在していることは、あまり知られていません。

どのように対処すべきか?

IT 部門が、ガバナンスプラットフォームを統一基盤として構築すれば、単一の管理画面から全社統一のポリシーを実装することが可能になります。それにより、従業員は (所属企業の) 統一ポリシーを簡単に参照でき、(自身が開発・利用する) アプリケーションやシステムに実装することが容易になるのです。

このようなアプローチをとる場合、企業は俊敏でなければなりません。なぜなら、全従業員が同じように情報を入手でき、かつ自分に関連する情報のみを入手できるようにする必要があるためです。部門によって異なる情報を持つのではなく、ガバナンスプラットフォームを企業の文化や体制に合わせ適切にカスタマイズすることで、全員が同じ情報を持てるようにするのです。

最新レポート
MuleSoftがAPI管理とiPaaSの業界リーダーであり続ける理由とは?


API 主導のインテグレーションアプローチ

API 主導のインテグレーションアプローチを採用することで、新サービスや新機能をより速く市場に投入できるだけでなく、コスト削減も実現できます。さらに API は組織内の他の部門でも流用・再利用できるため、個々のシステムを IT スタックに統合する時間の大幅な短縮が可能になります。

IT 部門だけでなく、事業部門や非エンジニア系の従業員にとって、自分たちのシステムやアプリケーション、データを統合するためのカギとなるのが『再利用可能な API 』。このテクノロジーにより『ノーコード/ローコード』のツールとプラットフォームがうまれ、「ドラッグ&ドロップ」だけで API 開発が可能になりました。つまり『再利用可能な API 』により企業は、 IT 部門以外でもアプリケーションの開発が自由にできるようになったのです。

API 主導のアプローチ


MuleSoft のお客様で『インテグレーション』を検討していたディーキン大学では、学生管理システム (SMS) の課題を解決するために API 主導のアプローチを採用しました。他のシステムやソリューションは目的に沿わないものばかりであり、適切な代替のソリューションもなかったため、同大学では代わりに入学志願者ポータルを構築することを決めました。

MuleSoft の導入以前、ディーキン大学の開発担当者は API も解決すべき課題として捉えていました。41 個の『再利用可能な API』を構築した後、それら API を使用し「カリキュラム」や「学生募集」「奨学金」「連絡先情報」といったデータ領域をカバーできるようになったのです。
その後、同大学ではその API の 90% を再利用しています。今では 150 以上もの API を MuleSoft で管理しています。

ディーキン大学にとって最大の懸念事項はセキュリティでしたが、それも MuleSoft で簡単に解決できました。同大学の API のセキュリティや認証はすべて MuleSoft で処理され、高いレベルのセキュリティを実装することに成功しています。


何度も書きますが、事業部門のリーダーと IT 部門のリーダーは緊密に連携して KPI と目標を達成し、ビジネスを成功に導かなければなりません。新型コロナウイルスの影響で私たちの働き方も大きく変わりましたが、今後さらなる変化が起こるかもしれません。予測不能な事態に備え、将来発生する課題に対応できるように準備しておかなければならないのです。

API でビジネスに変革をもたらす方法については、『IT 部門と事業部門の連携度バロメーター』レポートをお読みください。