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多くの消費者は、銀行や小売店、病院、地方自治体などのサービス提供者とデジタルチャネルを通じてやり取りすることを長い間待ち望んできました。新型コロナの拡大によって、このニーズは全く新しい次元にまで高まりました。

新型コロナが流行する以前、40% の消費者が実店舗や事業所に実際に訪れてサービスを利用していました (アメリカの場合)。2020年以降、世界的なロックダウンにより多くの店舗や事業所が休業を強いられたことは広く知られている通りです。消費者も外出自粛を求められ、実店舗や事業所の利用は極端に少なくなりました。ロックダウンが解除された後でも、その利用率は 26% (推定) まで落ち込んでいます。
業種や業界を問わずあらゆる企業が、消費者とつながりを強化し、収益を伸ばすための新しい方法を模索するために投資を強化しました。つまり、Web アプリやモバイルアプリを通じて優れたデジタルエクスペリエンスの向上に取り組んだのです。そのプロセスにおいて、「インテグレーションの再利用」に注目が集まり実装されるようになったのです。

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インテグレーションによる障害

この外部環境にも影響され、IT 部門への「優れたデジタルエクスペリエンスを提供しなければならない」というプレッシャーは増加の一途をたどっています。しかし IT 部門は、この高まり続けるプレッシャー (主に他部門や消費者による要求) に応えきれていません。MuleSoft の「接続性ベンチマークレポート 2022」によると、IT 部門に依頼されるプロジェクト数の平均は前年比で 40% 増加しました。このプレッシャーをさらに強めているのが、インテグレーションの課題です。インテグレーションの課題が解決できていないため、同一企業内であってもデータサイロ化が解消されず、IT 部門による DX の推進を阻んでいます。

前述のベンチマークレポートでは、89% の IT リーダーが「データサイロ化が自社の DX を阻んでいる」と回答。また、85% がインテグレーションの課題を主たる障害として挙げています。これらの課題は新型コロナの流行よりずっと以前から存在していました。しかし、コロナによる混乱やデジタルエクスペリエンスへの需要もあり、IT 部門はプロジェクトをより迅速に完遂する方法を手に入れるために苦闘しています。
消費者に最高のデジタルエクスペリエンスを提供するために IT 部門が日常業務として費やしている「つまらないボトルネック」を解消し、もっと多くの時間やリソースをイノベーションに人的かつ時間的に投資できるような戦略が必要です。

インテグレーションは、そのような戦略を実現するための最優先課題となるのです。

インテグレーションの再利用でイノベーションを加速させる

イノベーションの加速化を最も効果的に実現する方法に『API 主導の接続性アプローチ』があります。このアプローチでは、強固に連結 (密結合) されたポイントツーポイント型のインテグレーションではなく、API を階層として布置し疎結合を実現することにより、企業内のアプリケーションやデータソースを連携させます。
『API 主導の接続性アプローチ』では、アプリケーションやデータソースの連携が『機能』や『アセット』のネットワークとして再構築されます。それにより、再利用が可能なサービスやアーキテクチャが構築されるようになるのです。
IT 部門はゼロからコーディングする必要がなくなります。つまりスピーディに新製品や新サービス、新機能の構築が可能になるのです。その結果、IT 部門に所属するエンジニアに時間的な余裕が生まれます。その空いた時間を活用し、新製品や新サービスの迅速な構築や、消費者や従業員が求めるデジタルエクスペリエンスのデプロイに集中できるようになります。

実例として、ヨーロッパの保険会社である Generali (ゼネラリ保険会社) をご紹介します。Generali は API インテグレーションを活用し、新サービスや新アプリケーションの構築にゼロからコーディングすることがないように徹底しました。すべての従業員に再利用を強制したのです。チームは同じ機能やデータソースを使い、多数の新しいアプリケーションを構築できます。この方法を導入したことで、Generali はイノベーションを加速し、DX に費やす時間を大幅に短縮することができました。

インテグレーションの再利用は企業全体の取り組み

『API 主導の接続性アプローチ』により、IT 部門だけでなく企業全体でインテグレーションの課題を解決することも可能になります。ビジネスアナリスト、データサイエンティスト、カスタマーサポートなどの他の部門からもインテグレーションを求める声が上がっているのであれば、イノベーションを一気に推し進めることができるでしょう。

API により、データや機能、アセットなどを (簡単に) 再利用できるようにすれば、IT 部門以外の担当者でも簡単に構築済みの機能やアセットを使用し、デジタルプロジェクトを推進できるようになります。つまり、ノーコードで既存の機能の再利用やカスタマイズ、アップデートを実現でき、イノベーションをセルフサービスで進めることが可能になるのです。

すなわちイノベーションが企業全体に民主化されます。これにより、IT 部門がボトルネックとなる状況が解消され、事業部門に所属するすべての従業員が主体的に新しいデジタルエクスペリエンスを消費者に届けられるようになります。

小売企業の Ashley Stewart は『API 主導の接続性アプローチ』を採用。インテグレーションと API の利用スキルを従業員に提供することで、彼らの主体性を高め、インテグレーション開拓 (Trailblazer) チームを作り上げました。API とインテグレーションについての知識や理解を組織全体で高めることで、「つながる」という新たな顧客体験を創出。さらに DX プロジェクトを以前の 2 ~ 3 倍のスピードで実現できるようになりました。

インテグレーションが可能にするイノベーション

新型コロナの流行によって消費者の期待が変化し続けています。企業はシームレスなデジタルエクスペリエンスを求める強い要望に応えなくてはなりません。企業は、IT 部門だけにこのプレッシャーを押し付けるべきではありません。イノベーションの責任を他部門にも分散させ、IT 部門が強いられている制約を取り除くために働きかけることは必須となります。

API やインテグレーションの再利用を促し、企業のどの部門やチームでもイノベーションを創出できるようにすることは何よりも優先させるべきでしょう。それにより、コロナ後でも消費者の期待に応え続けられる価値提供を中心とするデジタルエクスペリエンスを迅速に構築・提供できるようになります。