今日の企業は、自社が提供するデジタル体験が、顧客から親しまれ、もっと使ってもらうために、多大なプレッシャーに晒されています。金融機関であればデジタル決済サービスの提供は、あって当然になりました。医療機関は、診察や投薬情報を管理システムが異なったとしても共有・連携させなければなりません。小売業ではオムニチャネルのショッピングやBOPIS(Buy Online Pickup in Store)を提供しないと、市場から取り残されています。業種を問わず、デジタルの活用は当たり前のものとなりました。
デジタルファーストの企業の共通点は、簡単にデータにアクセスできるということです。未だに対応できていない企業にとっては大きな問題です。2022年の接続性ベンチマークレポートによると、昨年に引き続き、90%の組織でデータサイロが課題となっています。
そこで役立つのが、スムーズなデータインテグレーションを可能にする「Integaration Platform as a Service」(iPaaS)です。このブログでは、iPaaSの定義やiPaaSソリューションの機能、組織に適したソリューションの選び方を紹介します。
iPaaSとは?
近年、ソフトウェアの急速な進化に合わせて、アーキテクチャも段階的に変化してきました。SaaS(Software as a Service)を皮切りに、IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)などが広がりました。そして、複数のクラウドサービスを必要に応じて統合させ、ITインフラストラクチャを作り上げることを可能にするiPaaSが登場しています。
iPaaSソリューションを使うと企業は、複数の異なるクラウド間であろうと、クラウドと企業が独自に保有するオンプレミスのシステム間であろうと、インテグレーションを実装してデプロイすることができます。多くの企業がクラウド、オンプレミス、レガシーといった複数テクノロジーを併用しています。iPaaSを使うことで、こうした多種多様なシステムを相互に接続できるため、インテグレーションを実装する際に採用しているテクノロジーを理由にデータの接続や連携、統合を諦めなくてもよいのです。さらにiPaaSのユーザは、ハードウェアやミドルウェアのインストールや管理の必要がなく、システム間のインテグレーションフローを開発・デプロイすることができます。
最新のiPaaSが持つ3つの機能
以下に、iPaaSソリューションに求められる最も重要な3つの機能を紹介します。
1:柔軟な接続性
iPaaSが速やかにその価値を発揮するには、プレビルドなコネクタやテンプレート、APIを提供するマーケットプレイスなど、すばやく簡単にアセットの共有や再利用ができなければなりません。柔軟な接続性を持っていれば、「最善の組み合わせ」でクラウドアプリを選択し、自組織のエコシステムに新しい機能を簡単に組み込むことができます。
2:拡張のしやすさ
iPaaSは安定性と俊敏性を備え、ビジネスの成長に合わせて拡張できることが重要です。そのためインテグレーション開発に詳しくない人でも、ローコードやドラッグ・アンド・ドロップのUIを使って、幅広いユースケースに対応できる開発機能を備えているのことが理想的です。さらに、戦略的インテグレーションの問題解決のため、開発者向けの高機能の統合開発環境(IDE)が用意されていることも重要です。
3:統一プラットフォーム
iPaaSの中核となるのは、アプリケーションと別のアプリケーションをつなぐことです(コアインテグレーション)。多くの場合、企業は、オンプレミスの既存のアプリケーションとデータのクラウドへの移行、SaaSとオンプレミスのアプリケーションやデータの統合、クラウドネイティブ・アプリケーションのオンプレミス環境との接続など、複数のアプローチを検討することでしょう。
API管理とiPaaSをひとつの統一されたプラットフォーム上に実装し運用することで、上記のようなユースケースを実現でき、API経由で主要な記録システムへのアクセスを公開・監視することが可能になります。さらに、アセットの再利用により、過去の投資を無駄にすることも回避できます。
iPaaSソリューションの選択
データサイロの解消を試みる企業が犯しがちな失敗の1つとして、インテグレーションを戦略的取り組みとして考えず、一時しのぎの解決策として扱っていることが挙げられます。長期的な成功を実現するには、適切なタイミングで適切なテクノロジーに投資することが非常に重要です。
ビジネスの成長と拡大に役立つソリューションや戦略を考え始めるのに早すぎるということはありません。もちろん、すぐに価値を実感できる、目の前の課題をクリアするテクノロジーを選ぶことも重要になるでしょう。そのため、インテグレーション課題の解決を目指している企業にとって、iPaaSとAPI管理の両方で質の高いソリューションが最適な選択となります。
世界で最高レベルのインテグレーションおよびAPIマネジメントプラットフォームを提供するMuleSoftは、Forrester社の「Forrester Wave™: Enterprise iPaaS, Q4 2021」でリーダーとして評価されました。MuleSoftは、インテグレーション、自動化、API管理向けの統合プラットフォームに加えて、大規模なイノベーションを推進するエコシステムをさまざまな業界の企業に提供しています。
Forrester社のレポートにて、MuleSoftは「API主導型のアプリケーション統合戦略を求める企業にとって非常に優れた選択肢」と評価されました。レポート全文をダウンロードしてご覧ください。
「The Forrester Wave™: Enterprise iPaaS, Q4 2021」Forrester Research、2021年10月5日